3月3日の「桃の節句」も過ぎ、春の足音が聞こえてくる今日この頃、皆さまお元気にお過ごしでしょうか。春とは言え、朝夕はまだまだ冷えこみが続きますのでお体には充分に気を付けお過ごしください。IMG_2265[1]

私達の暮らしの中には「日本らしい」と思える風習が数多くありますが、今回はその中の「お彼岸」についてご紹介したいと思います。

~お彼岸ってなに?~

お彼岸とは、ご先祖さまや自然に感謝をささげる仏道精進の期間の事で日本独自の仏教行事です。お彼岸にはお寺の法要やお墓参りに行き、亡き人へ思いをはせ、感謝のまことをささげます。農耕文化の日本では古来より、昼夜の時間が同じで、真東から太陽がのぼる時節に自然の恵みに対する感謝をささげる風習があり、お彼岸はこれらと仏教の教えが結びついた風習と言われています。

~お彼岸はいつ?~

お彼岸には春彼岸と秋彼岸があります。それぞれ、春分の日、秋分の日を中日とし、その前後の3日を合わせた7日間を彼岸といいます。今年2017年のお彼岸は、春彼岸入り3月17日(金) 3月20日(月)春分の日 彼岸明け3月23日(木) 秋彼岸入り9月20日(水) 9月23日(土)秋分の日 彼岸明け9月26日(火)にあたります。

~お彼岸入りには何をするの?~

「彼岸入り」に何をするべきかは決まってはいませんが、先祖や家族の事を考え感謝や縁を改めて感じる時間として過ごしてみてはいかがでしょうか。その為にどのように準備をすればよいのかご紹介します。95a792d90b4917c83c838983x83g

・お仏壇や仏具を清め、お墓をきれいにお掃除をしましょう。普段よりも時間をかけ丁寧に手入れをします。

8651お供え菓子の準備をします。お彼岸用のお供えと言えば「ぼたもち」や「おはぎ」が一般的ですが、この2つは材料やつくりは同じものを指します。「ぼたもち」は「牡丹餅」と書き、春に咲く牡丹の花を表し花の型を取っているため春彼岸のお供えとして使われます。それに対し「おはぎ」は「お萩」と書き、中秋の名月に供える萩より名づけられているため秋彼岸のお供えとして用いられます。四季に対する美しい考えが根底にあるのも日本独自の文化ではないでしょうか。

 

~なぜお彼岸にお墓参りをするの?~image1_1209608592

お彼岸にお墓参りをする風習は、東から昇り西へ沈む太陽に関係しています。仏教では生死の海を渡り到達する悟りの世を彼岸と言い、反対の私達の居る迷いや煩悩に満ちた世を此岸(しがん)と言います。彼岸は西に此岸は東に有るとされ、太陽が真東より昇り真西へ沈む春分と秋分は彼岸と此岸が最も通じやすくなるとされ先祖供養(お墓参り)をするようになりました。

お彼岸は仏教用語です。ですがインドや他の仏教国にはない日本独自の風習です。日本では正月など神道にまつわる行事を行う一方、仏教を説いた釈迦の教えも受け入れてきました。お彼岸は「日願」でもあり太陽の神を信仰する神道と結びつきやすかったという説もあります。また春の種まきや秋の収穫と結びつき自然に対する感謝や祈りがご先祖様に感謝する気持ちともつながりお彼岸は日本の大切な行事となりました。祝日法によると・・・春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」秋分の日は「先祖を敬い、亡くなった人々をしのぶ日」とされています。

物の有り方や縁を大切にする気持ちが日本独自で発展した風習である「彼岸」。春、秋と2回行われる由来も知ることができ、これから迎えるお彼岸では、今までとは違った気持ちでご先祖様の供養ができそうです。